Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たちがれ

立枯れ

豊島 与志雄

Lisez 立枯れ (たちがれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 613 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

かるく雀斑をうかした円っこい彼女の顔は、微笑をも忘れたかのように静かだったが、眼に冷い険を帯びていた。何か怒ってるのかなと、中江は初めて思ったのだが、実際は彼のことを心配してるのだと分ると、彼は今になって云うのだった。実は、ゆうべ少し飲みすぎて、宿酔の気味だし、それに、少々調べ物があるから、一週間ばかり学校を休むので、決して心配なことはないと。そして彼は自ら苦笑したのだが、彼女の眼の冷い険は拭うようにとれて、彼女は子供にでもするように諾いてみせるのだった。

そうしたことから、中江は当面の問題より彼女の存在の方へ眼を外らし、何かと用を考えだしては、その用を彼女に頼むのだった。彼女のうちには、無言の母親とも云ってよい温良さがあった。然し実は、中江には当面の問題というものはなかった。うわべは整然としてるようであるが、その下に、無気力な投げやりがあって、その投げやりの状態はただ、未来に対する漠然とした期待でもちこたえられてるのみだった。そしてその未来が、いつまでも未来で決して現在にならなくて、投げやりの現在が変に行き詰ってきたこと、それだけのことだった。