Classiques japonais avec furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Lisez 童話集 春 (はしがき) de 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 531 caractères · 97 écrans
それはたいへん留吉を不愉快にしました。
「時公におれは竹馬を作ってやったこともあるんだ。あいつはその事もまだ覚えているだろう」
この考は、留吉をたいへん気安くして、元気よく玄関の前まで、留吉を歩かせました。「御用の方はこの釦を押されたし」と柱の釦のわきに書いてある。留吉は読みました。
「おれは用があるのだ。それにここの主人はおれの友達だからな」留吉は釦を押した。ヂリヂリヂリとどこか家の奥の方で音がしました。そういう仕かけかなと思って、留吉は、入口のガラス戸のとこを見ていますと、そこに一寸角ほどの穴があいています。そこで大きな一つ眼がぎらっと光ったかと思うと、頭の上でヂリヂリヂリと、舶来の半鐘のような音がしました。留吉はもうとてもびっくりして、何を考える暇もなく、どんどん門の方へ駈けだしました。
するとその拍子に、留吉の帽子が留吉の頭から飛去って、ころころと転ってゆきました。こいつは大変だと思っていると、悪い時には悪いことがあるもので、造花の西洋花の中から、歯をむいたチンのような顔をした、しかしずっと愛嬌のない大犬が出てきて留吉を追いかけました。
留吉は、十一番地のところまでまるで夢中で駈出しました。