Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうてい

童貞

夢野 久作

Lisez 童貞 (どうてい) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 572 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

……自分は要するに無用の存在であった。……自分は死んでも本当の音楽はこうして永遠に、地上に繰り返されて行くのだ。……ありがたいありがたい……なつかしいなつかしい……嬉しい……楽しい……」……そのような気持ちが彼の胸に一パイになって、生温い泪が自ずと瞼にあふれて来た。……赤い日ざしが……青空が……白い雲が……煉瓦がユラユラとゆらめいて、次から次へと左右の眥へ流れ出して行った。

彼は感傷の余り、疲れた視線を赤い日ざしから離した。するとそれと同時に、タッタ今の感激のうちにスッカリ空っぽになった彼の頭が、彼自身のものではないかのように力なく、ゴロリと草の株から転がり落ちた。

泪に霞んだ彼の視線の片隅に、小さな人影が入って来たのはその瞬間であった。

それは眼の前に重なり合った草の茎の隙間から見るテニスコートの白い一直線の上を、ソロソロと後しざりして来る薄茶色のセイラアパンツであった。そのうしろ姿は、彼の眼前の草の茎に比較すると、まるで一粒の豆人形であったが、その豆人形は、手に写真機か何かを抱えてるらしく、二、三本並んだポプラの樹を正面にして、茶縞の鳥打帽を傾けながら、用心深く草原へ退り込んで来るうちに、次第次第にその形を大きくした。