Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はこねのやま

箱根の山

田中 英光

Lisez 箱根の山 (はこねのやま) de 田中 英光 (たなかひでみつ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 963 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

いま初めて原始的な山気にふれ、その野性の呼び声を感じている。疲れも忘れた、歓喜の幼ない眼を見ては、私も、「そうだ、これがお山だよ」と単純に肯定するより他はなかった。

それから一郎は、うって変った元気さで、その近路を通りすぎたが、さアそれからは近路が病みつきになり、「お山に登るんだ、お山に登るんだ」とばかり近路を見つけると喜び勇んで、藪叢も構わず掻きわけては潜りこんで行く。初めの中こそ、バカな親父も大きな胴体を一緒にその中に突っ込んで、茨に掻かれたり、滑ったり、傷だらけ泥だらけになったりしていたが、そのうち私はうんざりして来ると共に、一郎が精力を浪費するのも気になって、再び道を行くなら大道でなければならぬ、と自分にも言い聞かせ、一郎の近路を許さぬ方針にしたところが、そうすると眼に見えて一郎は弱って来た。いかにも疲れ切った様子で、しょんぼり後から俯向いてのこのこついて来たり、時々、辛そうに路に蹲みこんでしまう。その度に、大声叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)して、歩かせるが、道のりの見当が未だつかないし、どこで飯にありつけるかも判らない。それでも双子山は大方頂上近く登って来ていたから、ひとつ元気をつけてやろうと、「一郎、一郎、来てごらん、とっても高いよう」