Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
そこつひょうばんき
粗忽評判記
山本 周五郎
Lisez 粗忽評判記 (そこつひょうばんき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 942 caractères · 28 écrans
「会ったのか、会ってしまったのか」
「明日の茶の催しに御招待申上げてしまいました、粗忽でございます」
久之進は平伏しながら叫んだ、「お詫びの申上げようもございません、どうぞ切腹仰付けくださいますよう、しかし、生前に一言お願いがございます」
「…………」
「明日は出雲守様とお二人にて、御茶席の催しを遊ばしまするよう、すれば久之進の粗忽も救われ、せっかくお悦びの出雲守様も御失望なさらず」
「待て、……出雲が悦んだと云うか」
「明日を楽しみにすると仰せられました、またその節は土産を持参するとまで、御悦びのごようすでございました」
明敬は黙って眼を閉じたが、やがて呻るように、「――切腹には及ばんぞ」と云った、
「きさまの粗忽は病だ、病を咎めるわけにはゆかぬだろう、ただしこれ一度に限る、この次には許さぬから覚えておけ」
「では御茶のお招きも……」
「しようがない、残念だが催してやる」
「はっ、かたじけのう」平伏する久之進をいまいましげに睨みながら、明敬は跫音もあらあらしく奥へ入っていった。
その翌日である。出雲守来邸と聞いて、しぶしぶ迎えに出た明敬は、いきなり両手を信継の温い手で握られて呆気にとられた。