Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
そこつひょうばんき
粗忽評判記
山本 周五郎
Lisez 粗忽評判記 (そこつひょうばんき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 942 caractères · 28 écrans
「負けた、このほうの負けだ壱岐侯」信継は震える声で云った、「信継も仲直りがしたかったのだ、殿中でなんど言葉をかけようと思ったかしれないぞ、だがやはりできなかった。嬉しかったよ壱岐侯、あのおりのことは許してくれ、よく先に折れてくれた、嬉しいぞ、嬉しいぞ」
「……出雲侯」明敬もひしと手を握り返した。信継はしかし相手に言葉を与えず、「さすがに一年の長だけある、仲違いをしていなくとも、出世をした者の門は訪ねにくいものだ、ことにあの不和のなかでなおさらであろう、それだけに嬉しかった、誰に祝われるよりやはり壱岐侯に祝ってもらいたかったのだ」
「よい、よい、もうよい」明敬の声はにわかにしめってきた。「会えばいいんだ、よく来てくれた、さあ、席へ行こう、席へ……」ほとんど手を執合ったまま二人は奥へ入った。客間へ通っても、しばらく二人とも同じ感動の言葉を繰返していたが、やがて信継は小姓に持たせて来た錦の袋を取って、「さ、土産だ、受けていただこう」と差出した。なにが入っているかは勿論ひと眼で分る。
「兼光だな」
「御執心の兼光だ、今日の招きの返礼に持って来た」
「そんなに……」