Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

そまつなはなたば

粗末な花束

宮本 百合子

Lisez 粗末な花束 (そまつなはなたば) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 227 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

こちらまで、妙にばつのわるい思いをするように、ばつのわるいすすめようを私はされたくなかった。断れきれず(多分私も)赧くなり、欲しくないグラフィックを買わされるのも快くないに違いない。よけて通りながら、心の底で私は彼女について無頓着にはなれなかった。いつも、何処か翳った心配めいた心持で、根気よく通行人を止めてはその前で傾く婦人帽の運動を見守った。彼女はその時、片言に出来るだけ愛嬌をこめて、

「この本いりません? 二十銭…… どうぞ」

と云っているのだ。

電車に乗りながら私は屡々考えた。

「一体どの位売れるものかな。皆で二十冊位しか持ってもいないようだが――二十冊にしたところで二二ガ四、四円。一月で百二十円! ふうむ」

三月の或る晩、私は従妹や弟と矢張り尾張町の交叉点で電車を降りた。

暫くどっちに行こうと相談した結果、先に、山崎の側を――そちらに夜店が出ていたから――京橋詰まで行き、戻りに新橋まで帰ることになった。

私共は、快活な散歩者らしい様子で気軽に十字路を横切った。そして、鋪道に溢れるような人出に紛れ込もうとした時、私はふと、山崎の陰鬱に光る大飾窓の向い合った処に、一人日本人でない露店商人がいるのに目をつけた。