Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lisez 糞尿譚 (ふんにょうたん) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 974 caractères · 99 écrans
彼は叮嚀に顔を磨き、浴衣に着換えて、潜戸を開けると、すぐ前に階段があったので、上った。上ると眼の前にぱっとまっ青な海が開けて、さっと塩風が正面から火照った顔に吹きつけて来た。部屋は四畳半のこぢんまりした部屋で、床の間もあり、餉台の上には既に酒肴の支度が整えられてあった。彦太郎が部屋に入ると、追いかけるように先刻の女がやって来たが、薄化粧した女の姿は浮いたように美しかった。彦太郎が坐ると、徳利を取りあげ、左の手で盃をさし、どうぞ、と女は云った。盃を受け取り、一口にぐっと飲んだ。焼酎を飲みつけている彦太郎の咽喉には、日本酒は最初は水のようで困るのだが、いずれにしてもあまりよい酒ではないなと思った。女が怪訝な顔をしたほど、彼は続けさまに盃を干した。最初は水のようであるが少し飲み出すと、味が出て、急速に酔の廻るのが彦太郎の癖であった。少年のように怖けていた彦太郎も酒のために勢が回復し、次第に平常通りの彼に返って来た。元気をとりもどした彼は、いろいろとこの風呂のことなど聞き、冗談などもいえるほどゆっくりした気分になって来た。非常に情の溢れたように見える一重瞼が何より美しかった。