Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 150 580 caractères · 287 écrans

Aozora Bunko

六

「ほんに、これやったらどないもあらへん。―――何でやねん、こいさん」

「帯が新しいよってにキュウキュウ云うねんが。この帯やったら、古うなって、地がくたびれてるよってに音せえへんねん」

「ほんになあ、そのせいやってんなあ」

「少し頭を働かしなさいや」

「御寮人さんに電話でございます、井谷さんから、―――」

と、お春が廊下を駈けて来て云った。

「あ、えらいこッちゃ、電話かけるのん忘れてしもてん」

「ほれ、もう自動車来たらしいわ」

「どうしょう、どうしょう」

と、幸子は鼻を鳴らしたが、雪子はまるで他人事のように澄まし込んでいた。

「なあ、雪子ちゃん、どない云うとこう」

「どないなと云うといて」

「そうかて、あの人、味善う云わなんだら承知しやはらへんねん」

「そこのとこ、ええように頼むわ」

「そんなら、兎に角、明日のとこだけ見合せてもろとくわな」

「ふん」

「ええやろ、それで」

「ふん」

立っている幸子には、坐って下を向いている雪子の表情を、どうにも読み取りようがなかった。

六

「悦ちゃん、そんなら行って来まっせ」

雪子は出しなに洋間を覗いて、小女のお花を相手にままごとの道具を並べている悦子に云った。