Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜつえんたい

絶縁体

豊島 与志雄

Lisez 絶縁体 (ぜつえんたい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 752 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

そうなるともう騎虎の勢いで、市木さんはなお何度も猫を叩きつけ、打ち殺してしまったのである。

市木さんの話は冷淡な調子だったが、底に熱いものが籠っていた。

「ひとの様子を、じっと覗き窺うなど、以ての外の根性です。成敗されても仕方ないことでしょう。」

前に、竹垣のことについて、見るのがいけない、眼を向けるのがいけない、と市木さんが言ったのを、私はふと思い出したのだった。そして猫のことも、やや合点がいった。

猫の死体を、市木さんは庭の片隅に埋めた。

それが、当分の間、私は薄気味わるくて、市木さんの庭へ行くことをやめた。

猫や犬の死体を葬ってくれる寺がある筈なのに、市木さんはなぜ庭の隅に猫の死体を埋めたのだろう。まさか埋葬料を倹約したわけではなかったろう。

というのは、私の妻がへんな噂を聞き込んで来たのである。市木さんの家には、黄金の延棒が秘蔵されているというのだった。

市木さんはいつもみすぼらしい身扮をしていたし、子供たちも実に粗末な服装をしていたし、生活も至って質素だったのに、金の延棒があるという噂が、まことしやかに伝えられたということには、何か意味があるようだった。