Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わなにかかったひと
罠に掛った人
甲賀 三郎
Lisez 罠に掛った人 (わなにかかったひと) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 112 caractères · 21 écrans
彼女は喜びに溢れた顔をして云った。然し、友木の顔は暗かった。
不安のうちに一夜を明かした友木は、翌朝早々伸子を促がして旅に出る事にした。彼は東京にじっとしているのが何となく恐ろしかったのだった。家主に滞っていた家賃を払い、身の廻りのものを整えると、二人は汽車に投じて湘南地方に向った。
然し、友木は未だ解放されなかった。
その夜、宿で夕刊を手に取った友木はあっと声を上げた。
「なあに」
伸子は驚いて夫の顔を見上げた。
「た、大変だ。玉島が殺された」
「えッ」
二人は夕刊を引張りこしながら、段抜きの記事を読んだ。
夕刊の報ずる所によると、高利貸の玉島は今朝二階の一室に冷くなって横たわっているのを、雇人の聾の婆さんに発見せられた。玉島の胸には短刀が突刺っていた。兇行の時間は今暁一時乃至二時で、強盗の所為らしいとあった。
「まあ、驚いた。じゃ、私達の帰って直ぐ後で殺されたのね」伸子は喘ぐように云った。
「うん。潜戸は開いていたし、玄関は締りはなかったし、強盗が這入ったんだね」
「初めはあなたが殺そうとし、次に私が殺そうとしたのを、救かって置きながら、とうとう三番目の強盗に殺されるとは、よくよく殺される運だったのね」