Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lisez 老夫婦 (ろうふうふ) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 957 caractères · 27 écrans
村の百姓達は為吉を羨しがった。一生村にくすぶって、毎年同じように麦を苅ったり、炎天の下で田の草を取ったりするのは楽なことではなかった。谷間の地は痩せて、一倍の苦労をしながら、収穫はどればもなかった。村民は老いて墓穴に入るまで、がつ/\鍬を手にして働かねばならなかった。それよりは都会へ行って、ラクに米の飯を食って暮す方がどれだけいゝかしれない。
両人は、田舎に執着を持っていなかった。使い慣れた古道具や、襤褸や、貯えてあった薪などを、親戚や近所の者達に思い切りよくやってしまった。
「お前等、えい所へ行くんじゃ云うが、結構なこっちゃ。」古い箕や桶を貰った隣人は羨しそうに云った。「うら等もシンショウ(財産のこと)をいれて子供をえろうにしといた方がよかった。ほいたらいつまでもこんな百姓をせいでもよかったんじゃ!」
「この鍬をやるか。――もう使うこたないんじゃ。」為吉は納屋の隅から古鍬を出して来た。
「それゃ置いときなされ。」ばあさんは、金目になりそうな物はやるのを惜しがった。
「こんな物を東京へ持って行けるんじゃなし、イッケシ(親戚のこと)へ預けとく云うたって預る方に邪魔にならア!」