Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうぎしょう

老妓抄

岡本 かの子

Lisez 老妓抄 (ろうぎしょう) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 601 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

名前は柚木といった。快活で事もなげな青年で、家の中を見廻しながら

「芸者屋にしちゃあ、三味線がないなあ」などと云った。度々来ているうち、その事もなげな様子と、それから人の気先を撥ね返す颯爽とした若い気分が、いつの間にか老妓の手頃な言葉仇となった。

「柚木君の仕事はチャチだね。一週間と保った試しはないぜ」彼女はこんな言葉を使うようになった。

「そりゃそうさ、こんなつまらない仕事は、パッションが起らないからねえ」

「パッションて何だい」

「パッションかい、ははは、そうさなあ、君たちの社会の言葉でいうなら、うん、そうだ、いろ気が起らないということだ」

ふと、老妓に自分の生涯に憐みの心が起った。パッションとやらが起らずに、ほとんど生涯勤めて来た座敷の数々、相手の数々が思い泛べられた。

「ふむ、そうかい。じゃ、君、どういう仕事ならいろ気が起るんだい」

青年は発明をして、専売特許を取って、金を儲けることだといった。

「なら、早くそれをやればいいじゃないか」

柚木は老妓の顔を見上げたが

「やればいいじゃないかって、そう事が簡単に……(柚木はここで舌打をした)だから君たちは遊び女といわれるんだ」