Classiques japonais avec furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lisez 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) de 松永 延造 (まつながえんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 696 caractères · 144 écrans
いや、之からが本統の話しになるのである。
云い忘れて了ったが、私は病院に寄食していた頃、カリエス患者のコルセットを造るため、セルロイドを取り扱う事に習熟したので、その後もあるセルロイド工場へ入って生活費を得ていたのである。
そして、他を罰してやるためには、自分を出来る丈正しく保たねばならないと云う考えで、自分を鞭打った。けれども之が私に取って無効なる痛みに過ぎなかったのは、何と云う悲しさであったろう。
正直に云って了う。一つの憤怒を抱いた人間は、却ってその憤怒のために堕落しやすいものである。ああ、私は何れ程心の平静を望んだ事であろう。此の憤怒! この動乱がいけないんだ、と叫んでは、自分の爪で自分の胸を掻きむしった。之は何と云う矛盾した心理であろうか。憤怒があればこそ罰を謀むのであり、罰を謀むから、正しい心を欲するのであるのに、正しい心を持つには、憤激それ自身が邪魔となるのである。
「えい! 何たる苦しみの鼬ごっこだ!」何度操返しても、それは実に同じであった。
然し私は心を取り直した。※(始め二重括弧、1-2-54)少くともそう思われる。※(終わり二重括弧、1-2-55)同じ工場に通う老いた職工が火傷のために休職し、喰うにも困っているのを聞くと、私は深甚な同情のようなものに刺戟され、そして、露店を出してセルロイド