Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lisez 肌色の月 (はだいろのつき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 706 caractères · 101 écrans
「ひどく濡れてるね。これは乾かさなくともいいのかね」
靴が濡れていれば、どうだというのだ。お義理にも相手になる気がなくなり、久美子は聞えないふりをしていた。
二十分ほどすると、二階の寝室と奥へ行っていた連中が広間に戻ってきた。また隅のほうへ立って行って、五分ほど立話をしていたが、久美子のそばに年配の刑事を一人だけ残し、あとの四人がロッジから出て行った。玄関の脇窓から、四人の官憲が車のそばに立って協議しているのが見えた。
間もなく、二人の私服と警官が湖畔のほうへ行き、捜査二課と捜査一課が広間に入ってきた。
「ちょっとお話を伺いたいのですが……参考までに……」
加藤という係官が、愛想よく久美子のほうへ笑いかけた。
「この長椅子を拝借しよう……神保さん、あなたも、どうぞ」
捜査二課は椅子をひきよせて、傍聴するかまえになった。
「お取込みのところを、恐縮です」
「お取込み、なんてことはないんです、あたしのほうは」
年配の刑事は食卓の上に手帖をひろげ、わざとらしく腕で屏風をつくっている。それが久美子の癇にさわった。
「これは訊問なんですか」
「飛んでもない」
秀才がまた笑ってみせた。