Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

十

」

「ばか言っちゃいかん。却って荷厄介さ。」

「厄介な荷物でも、無いより有った方がいいわ。」

北村は千重子の顔を見つめた。

「そんなことは、哲学者の言うことだ。詭弁家の言うことだ。」

「わたし考えたのよ。小父さまのように、ただ存在してるということだけでも何かになるという、そういう人間になりたいと……。」

「誰だって、そんな風に言えばそうじゃないか。」

「いいえ、違うわ。ちょっと説明しにくいけれど………。」

話が通じなくなると、二人はぼんやり顔を見合せて頬笑んだ。頬笑みがすべてを解決してくれるのである。

然し、その時、北村も千重子も全く予期しないことが起った。

十

台所口から顔を覗かせて、富子夫人があわただしく呼びかけた。

「そんなところで、何をしているんですか。小泉先生と、大勢いらしてるんですよ。いろいろ御用があります。北村さんも、ちょっと手助って下さい。」

富子の顔は、言葉といっしょにそこから消えた。

対外的には、つまり社交的には、富子は聊かも取り乱したところを見せない代りに、内部では、つまり家庭の裏面では、せかせか駆け廻ることがある。今ちょうど、そうしてるところだった。