Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えんしょ
艶書
山本 周五郎
Lisez 艶書 (えんしょ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 027 caractères · 50 écrans
泥酔して、芸妓に支えられながら、手洗いにでもゆくようすであったが、出三郎をみつけるとあいそよく笑いながら、ひょろひょろと寄って来て、肩を叩いた。
「これは驚いた、こんなところであんたに会おうとは思いがけない」忠也はなれなれと云った、「どうです、私の座敷へ来ませんか、いっしょにひとつ盛大に」
出三郎はつれがあるからと断わった。忠也は醜い顔になっていた、相貌が変わったわけではなく、ぜんたいの印象がよごれて、腐ったにおいでも発散するような感じだった。
「あんたは堅いんだってな」と忠也はあいそ笑いをした、「あんたのことは七重から聞いたよ、まじめで堅い人物だって、こんなところで会ったなんて云っても信用しないだろう」
出三郎は黙っていた。
「あれも堅い女だ」忠也は続けた、「いつまでも堅くてまじめで、おまけに病気ばかりしている、丈夫そうな躯をしているくせにね」
「病気をなすってるんですって」
「秋になったら林田の温泉へでもやってやろうと思うんですがね、躯の弱い女房なんて持つもんじゃない、本当ですよ、子供も生めないとなると問題ですからね」
忠也は芸妓の肩を抱いたまま、ひょろひょろと廊下の向こうへ去っていった。