Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えんしょ
艶書
山本 周五郎
Lisez 艶書 (えんしょ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 027 caractères · 50 écrans
ふと、七重の顔が眼にうかび、良心のとがめを感じた。だがもうどうしようもない(あの血の匂いでは)、おれなどがいたところでどうしようもない。彼は首を振って、半兵衛といっしょに広縁へ出た。
「彼ら(というのはいつか話した重職の一部だが)彼らはおれと殿とのあいだに黙契があるのを感づいた」と歩きながら半兵衛が云った、「それでにわかに硬論が起こって、おれを暗殺しようという説が強くなった、よろしい、そのほうが事は手っ取早い、そっちがその気なら機会を与えてやろう、こう思って、それで今日はわざわざ、この掬水楼まで来てやったのさ」
「来ることがわかるようにしてですか」
「筒抜けの筋があるのさ」
「恐るべき自信ですね」出三郎が云った、「しかしまさか、刺客の数までわかっていたわけではないでしょう」
「予定より二人多かったよ」出三郎はあきれたように振り向いた。
「筒抜けの筋があるんでね」と半兵衛は笑った、「ただびっくりしないで、これが十年がかりの仕事だということを思いだしてもらいたいな、十年といえば一と昔だぜ」
出三郎には答える言葉がなかった。
「近いうちにまた会おう」玄関のところで半兵衛は云った。