Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとにんげんのはなし

花と人間の話

小川 未明

Lisez 花と人間の話 (はなとにんげんのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 756 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

おじいさんは、常夏の花を見るときは、すべてのさびしさも、悲しさも、たよりなさも、いっさい忘れてしまいました。おばあさんは、また、おじいさんの毎日うれしそうな顔つきを見るのが、なによりの楽しみでありました。

ある日のこと、近所に住んでいる金持ちが、店さきへはいってまいりました。

「まことにみごとな常夏だな、どうか私に、これを譲ってくださらぬか。」といいました。

おじいさんは、それどころではありませんでした。

「いえ、これは、私の大事な常夏です。売ることはできません。」と答えました。

金持ちは、しかたなく、店から出てゆきました。しかし、よほど、この花が気にいったとみえて、それから、二、三日すると、また、金持ちは、やってきました。

「私は、三円出します。どうか、この花を売ってくださらぬか。」といいました。

「せっかくのお頼みですけれど、これは、私の大事な花です。お譲りすることはできません。」と、おじいさんは、答えました。

おばあさんは、三円になれば、売ってもよさそうなものにと、いわぬばかりの顔つきをして、おじいさんを見ていました。

その日も、金持ちはしかたなく帰りました。