Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
こっちに、おいで」
紺の幔幕の内側から、声をかけられて、はじめて、我にかえったように、身体を廻転させた。幕をくぐって、中に入った。
「安五郎、今日は、なんぼか、酒を飲んでもええ。父が、許可してやる」
「井上金物商」は、目抜きの本町通りに店舗をかまえて、繁昌していた。
後に、玉井金五郎と生涯の盟友となって、吉田磯吉一派と拮抗した井上安五郎の、まだ若い胸の中に、このとき、なにかのはげしいものが、燃えあがったようであった。
金物商組合の一座は、五十人ばかり。家族子供づれで、賑やかである。芸者が四五人、胡蝶屋豆八という、小柄で、跛の幇間が一人、巡査も二三人、まじっていた。
一時はどうなることかと思ったのに、無事にかたづいたので、あらためて、酒盛りがはじめられた。
「玉井組というのは、なんかいな?」
若松に渡って日の浅い金五郎は、まだ、よく、街の人に知られていなかった。
「請負師かね?」
「それにしちゃあ、年が若かったが……」
「どこかの仲仕かも知れん」
「じゃが、面白そうな若い衆じゃったなあ」
そんな噂をしながら、酒を飲んでいると、中には、よく知っている者もあって、説明役を買って出た。