Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

「いえ、あたし、男なんかよりも芸の方が大事ですから」

笑いにごまかして、あたふたと、台所口から、部屋を出た。金五郎らしい足音が、近づいて来たからである。

「おかしな妓やなあ」

「金さんには、逢わんがええ。お京と金さんなら、なんか知らんが、気が合いそうにある。気が合うのはええが、合いすぎでもしたら、おれがおマンさんに、すまんことになるからなあ」

「そやけど、お京はんは、聯合組の親分衆や、会社のえら方に贔屓にして貰わんならんよってに、いっぺん逢うて貰とくが、ええのやがな」

「それも、そうじゃが……」

夫婦がそんな話をしていると、金五郎が、廊下から、のれんを排して、入って来た。

「やあ、今が朝飯じゃな?」

にこにこしながら、長火鉢の向う側へ、胡床をかいた。自分の家のような気やすさである。印半纏に、半ズボンをはいている。

「金さん、これから、仕事かね? 現場支度ども、しちょるが……」

「うん、五十トンばかりの焚料じゃ。夜業でやってくれちゅうことじゃったけど、繰りあげて、昼やらして貰うことにした。晩は、ちょっと、用事が出来たもんじゃけ」

「ときに、金さん、あんた、昨日、江崎の子分と喧嘩したそうじゃないか」