Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
ひと寝入りした後、子分たちの朝御飯を作ってから、早朝、出発するつもりだった。
しかし、なかなか、眠ることが出来ないでいると、十二時を打ってから、表の格子戸を、たたく音がした。金五郎らしい。
「マン、開けてくれ」
と、怒鳴っている。
若松に住みついてから、これまで、金五郎は、まだ、家をあけたことがない。したがって、締めだされたこともない。交際で、どんなに遅くなっても、かならず帰って来た。マンも、一時が打っても、二時が打っても、表を掛けずに、待つのが習慣になっていた。
しかし、今夜は、十二時前に、戸じまりをしたのである。
「こらあ、どうして、締めるか。……開けんかあ」
がたがたと、格子戸を鳴らしながら、金五郎は、不服らしげに、喚いている。
マンは、蒲団の中で、息を殺していた。誰かが梯子段を鳴らして、二階から、降りて行くようである。畳を踏む足音が、玄関の方に出て、
「オヤジさんですか?」
時次郎だった。
「おれじゃよ」
「今、開けます」
内から掛けた鍵がはずされると、はげしく、格子戸が開いた。投げつける語調で、
「帰ることがわかっとるのに、何故、掛けるか? マンは、居らんとか?」