Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

すると、腹立ちまぎれ、危険な考えが、頭をもたげる。

(四年前、お京とはじめて逢った道後の「四国屋」、そこへ、お京と二人で、行ってやろか。そして、右腕へ、降り龍を彫ってもらい、いっそ、ええ仲になってやろか)

近所の人たちが、訊く。

「このごろ、ごりょんさんを見かけんようですが、どげえしましたか?」

「広島の両親が悪いちゅうもんじゃけ、見舞にやりました」

そう答えれば、日ごろの仲のよさを知っているので、疑う者はなかった。誰も、途轍もない夫婦喧嘩をした揚句、マンが飛びだしたことなど、知る者はない。

「中学生」の俊次は、

「旭座の芝居を、観につれて行ってくれると、約束しとったのに……」

と、ふくれ面をしている。

子分連中は、一日だけで、家事をやることに、へこたれてしまった。マンのいなくなった当日は、面白半分、大騒ぎをして、八人分業でやってみたが、食事をすましたあと、大事業のあることを知った。

「食う支度をすることより、後かたづけが、大事じゃのう」

八人で食い散らした食卓の残骸を見て、うんざりした顔を、つきあわせるのである。残り物は、猫にやっても、よごれた茶碗、皿、鍋、釜、箸などを洗うことは、つまらなくて、大儀千万であった。