Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

しかし、マンは、不気味さも、恐怖も忘れて、洗足になって、神前を、百回、往復した。

暗黒の金比羅神社も、蛭子神社も、その凄さは白山神社に劣らない。合掌したまま、土の上を踏む一心不乱のマンには、夫の生還を祈る心のほか、なに一つ余念はなかった。その切なさのあまり、

(もし、夫の命を奪うのだったら、この世に、神様というものはない)

そんな突きつめた気持さえ湧くのだった。

三つ目の社で、「お百度」が終るころ、東の空が白んで来る。明かるい太陽の光線がさして来る。それは、あたかも、死の暗夜から、生の朝がよみがえったように、マンには感じられる。

(こんな風に、夫も生きかえってくれれば……)

そう思うと、そんな気がして、宙を飛ぶように、病院へ走って帰る。しかし、金五郎は、昏々と眠って、なお、死の谷の中に横たわっているのであった。

五日目の朝、マンが三社詣りから帰って来たときである。

これまで、動くこともしなかった金五郎が、苦しそうに呻いて、顔をねじまげた。

「あなた」

思わず、マンが呼ぶと、うすく、眼を開いた。

「マンか?」

「はい」

「ラムネをくれ」

「はい、ちょっと、待って」