Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
病みあがりででもあるのか、豊艶であった顔は青白く、ひどく痩せが目立っている。水々しかった銀杏返しの頭も、洗い髪にしているが、油気が抜け、ほつれ毛がたれさがったまま、張りのある眼にだけ、なお、昔ながらの妖しい光がただよっているけれども、それすらも弱々しく、深い憂いのいろに彩られていた。その眼に、うっすらと、涙がたまっている。
プッ、プウッと、ラッパの音とともに、数台の人力車は、街の方へ、ゆるやかな速度で出て行った。先登の車に、大庭春吉、次に、金五郎、その後に、マン。いずれも、幌が被せられていて、顔は見えない。幌の小さいセルロイド窓から、金五郎の白い繃帯だけがちらちらした。
お京は、かたわらの胡蝶屋豆八をかえりみた。その耳に口をつけて、なにか、ささやいた。豆八は、深刻な顔つきをして、何度も、しきりと、うなずいた。その豆八の眼にも、涙が光っている。
群集の中に、お京の姿は消えた。
北九州の空に、満洲シベリヤの野から、日本海を渡って来る寒風が吹きはじめる。
十二月に入ると、すぐに、蛭子神社の大祭だ。祭は春と冬との二季に行われるが、冬の方が本祭である。近郊近在からの参詣客で、毎年、鼎のたぎる盛況を呈するのを常とした。