Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

「どうしてです」

「次郎長や、忠治、ってえのは、いけねえや。侠客の屑さ。喧嘩を売り物にする奴は、駄目だ。ほんとうのいい親分は、喧嘩をしねえな。だから、大前田英五郎ってえのは、えれえよ」

「大前田英五郎というのは、知りませんね」

「そうよ、斬った張ったをやらねえから、講談や浪花節にはならねえんだ。つまらねえ侠客というのは、みんな、派手なものさ」

金五郎は、はじめは気味のわるい印象を持ったこの男に、すこし、興味と親しみとを感じて来た。

「親分さん」

と、呼んでみた。

男は、ケッ、ケッ、ケッ、と、鶏のような声で笑いだして、

「おれは、親分じゃねえや」

「そんなら……」

「三ン下さ。……だが、なにか用かね?」

「親分になるのには、どがいにしたら、ええでしょうか」

「さあ、なあ、……? 一口では、いえんなあ。……兄ちゃんは、すこしは、やんなさるか」

「なにをです?」

「これさ」

男は、右手で、骰子を投げる恰好をした。しかし、金五郎は、その意味がわからなかった。

「それ、なんのことで?」

「ははあ、兄ちゃん、まだ、ズブの素人だな。丁半さ。ばくちだよ」

「やったこと、ありません」

「どうだ、兄ちゃん」