Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

父のようには、うまくひろがらない。瓢箪形の歪になって、網は沈んだ。

「まだ、下手じゃなあ」

櫓を押しながら、金五郎は笑った。

ビリビリッと手ごたえがあった。しかし、網をしぼって引きあげようとしたのに、どうしても上らない。海底の岩かなにかに引っかかってしまった。無理に引っぱって、網を破った。

「ちょっと待て」

金五郎が、網のところへやって来た。

勝則は、櫓に代った。

船を移動させて、根気よく、すこしずつ、網をあげた。方々が破れている。

「なにか入っとったらしいが、逃げてしもうたわい」

そういいながら、やっと、ぼろぼろになった網を引きあげた金五郎は、

「ウワア、大けなスズキが掛かっちょるど」

と頓狂に叫んだ。

一暴れしたとき、岩に、鼻でもぶっつけて気絶したのか、二尺以上もあるスズキが、破れ網に包まれて、おとなしく上って来た。月光に、鱗が美しく光る。

「怪我の功名じゃなあ」

金五郎が、そういって笑ったとき、背後に、エンジンの音が聞えた。水上警察署の白いモーター・ボートが近づいて来た。伝馬船のところに来て止まった。

若い一人の巡査が、姿をあらわした。威丈高に、

「おいこら、鑑札を持っとるか」