Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
広間では、もはや、どんちゃん騒ぎである。三味に太鼓までまじって、喧噪で割れそうだ。金五郎とコヨの立っている中廊下を、酒を運ぶ仲居、芸者、酔っぱらい客などが、しきりに往来する。
二人は離れ座敷の方に行った。曲りくねった橋廊下を渡った。
竹林に、風が騒ぎ、どこかの泉水に、水の落ちている音がする。
「一番、奥の部屋です」
コヨに教えられて、足音を忍ばせた。息子の逢いびきの場所をうかがう後めたさが、瞬時、金五郎の胸をかすめた。人の秘密を盗み見る卑しさが、口中をざらつかせる。
(止めようか)
と、ふと、思った。
しかし、コヨの「様子が変だ」という言葉が、やはり気がかりだった。思い当る節がないでもない。先夜、投網打ちに行ったとき、息子に、光丸に許婚があるという話をした。その許婚と、来春、結婚、仲介は友田喜造、そのことも告げた。勝則はこのことを知らなかったらしく、はっとした拍子に、櫓を外した。そのとき以後、心境に、動揺と変化とが起ったことは疑いない。金五郎は、深くは追求せず、また、圧迫も加えず、息子自身の反省と、自主的な行動とを待っていたわけであった。今、そのあらわれを見ようとしているのである。