Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
鼻をつまんで、突っ立ち、息子が小便をする音を聞いた。笑いだしたい衝動をおさえるのに、一苦労した。
(おれはおどけ芝居の名人じゃ)
人間の重大な秘密が、説明しがたい滑稽の表情を呈することは、毎々、経験したが、雪隠詰になったのははじめてだ。
(こうなったら、序じゃ)
脱糞することにした。
「馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、……」
小便をしながら、呟いている息子のさびしげな声が聞えた。
大便所は清潔で、正面に小さい牀が作ってあり、銀の一輪ざしに、温室咲きらしい百合の花がさしてあった。うす暗い電燈の光のなかに、白い花びらが清楚に光っている。金五郎はしんとなるような気持がした。
(いつか、勝則が、彫青を入れるなら、やっぱり龍を彫って、その肢に百合の花を握らせる、なんて、いうとったことがあるが、……)
風呂の中でのことを思いだした。そして、そのときは気づかなかったのに、息子がいった百合の花というのは、光丸のことを考えてのことであったろうか、と、霹靂のように、金五郎は、今、厠のなかで悟ったのである。
(おれの菊の花も、マンのことを考えたからじゃったが、……)
排泄しながら、不思議な感傷に浸った。