Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

今度の選挙はどうも大変らしゅうて、オヤジも危いと聞いたもんじゃけ、心配で出て来ました。こんなわたしでも、動けば何票かの加勢は出来ますけ」

「そら、おおきに」

大川時次郎は、現在、直方市に住んでいる。小さい炭坑を経営していた。

二十五年も前、家出したマンを呼び戻しに行くといって出た時次郎は、広島には帰らず、反対の方角、筑豊の炭坑に行って、坑夫になった。出発したときには、そんなつもりは毛頭なかったのに、下関から、山陽線に乗る段になって気が変ったのである。マンを呼び返すことよりも、マンに逢うのが怖くなったのだ。時次郎は、金五郎に対する信頼と、マンへの思慕と、自分の立場とに苦しんだ。そうして、一人決心をして、故郷へ帰るのをやめ、炭坑へ新しい人生を求めたのであった。

そして、幾年が過ぎた。誠実で勤勉な人柄が認められ、努力の結果、小坑主となることが出来たのである。

二三年前から、ふたたび、玉井家に顔を出すようになっていた。

マンは、女とともに、公会堂を出ると、玄関脇にある大きな石碑の前まで来て、立ちどまった。

(さて、どこに行ったものか知らん?)

と、思案した。