Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

「争議には無関係でやりますよ。いや、きっと、それまでには、争議もかたづきましょう」

「今日が二十二日じゃし、後四五日しかありませんばい」

「なんとかなりますよ」

石段を降って来ると、崖の下に、囲いをして、二つの石碑が建っている。一つには、「大庭隠岐守種景之墓」――慶長年間、高塔山の頂上に城を築いていたという若松城主の碑。もう一つの丸い自然石の表には、「三界之万霊」とあり、両側に、「飢死」「横死」と彫ってある。年代が書いてないけれども、随分、古いものらしい。

(ゴンゾは飢死で、おれは横死か?)

そんな皮肉を、胸のなかで呟いて、通りすぎた。

ゆっくりした歩度で、安政町にある友田喜造邸の前に来た。

卵色の高い塀で囲まれた、宏壮な屋敷である。下部は大きな岩でかためられて、大江山の鬼の岩屋を思い出させる。広い庭があって、森林のように、鬱蒼と、樹木が繁茂している。

(猛獣やら、毒蛇やらが、居るかも知れん)

金五郎の頭に、自然のように、そんな考えが浮かんだ。

(じゃが、猛獣より、毒蛇より、人間の方が、よっぽど恐しいわい)

ペンキ塗りの「友田組」という大きな看板を、睨むように見た。