Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

風も強い。黒々とした波がうねって、凄いようである。海の底が鳴っている。

金五郎は、ポケットから、ピストルを取りだした。沖に向かって力まかせに投げすてた。闇夜にも、黒い条をえがいて飛んだ拳銃は、コポッという短い音とともに、海中に消えた。

(人を暴力団というけれども、お前も暴力団じゃないか)

友田喜造を、ピストルで脅迫したのである。一大決心をし、生命を賭しての措置であったのだが、疑いもなく、暴力行為だ。あらゆるものを犠牲にし、多くの人々のために、誠心から、この挙に出たことに、悔いはなかったのに、外見にあらわれた行動のうすぎたなさ、愚劣さは、金五郎を打ちのめした。

(気負いたっていた、友田喜造との最後の対決というのが、こんなことだったのか?)

なにか、外に、方法がなかっただろうか。暴力以外の方法は、なに一つ、考えおよばなかったとすれば、もはや、自分は軽蔑すべきヤクザにすぎない。これだけの人間だ。小人物だ。ここに、玉井金五郎の一生は、終りを告げた、といってよい。力ない手で、櫓をあやつる金五郎の両眼から、熱湯のような涙があふれ出た。ダラダラダラと、とめどなく、滝のように、頬を伝い流れた。