Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなふぶき

花ふぶき

豊島 与志雄

Lisez 花ふぶき (はなふぶき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 409 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

」と千代は答える。

千代は実際、そんなことには関心がないらしい。彼女の相手は、火鉢の炭火や、畑の野菜や、焼け跡の草原や、忍び込んでくる野良猫ばかりのようだ。然し、隅っこで下洗いをしているおれには、酔客の冗談がおれを種にしてることがよく分る。ふだんは苦笑するだけだが、虫の居所が悪いと、おれはむかついてくる。その男の頭に、また千代の顔に、皿や小鉢を打っつけてやりたくなることもある。

千代がいなかったら、どんなにここは明るくなることだろう。そういう思いがおれの胸の中に巣くっていた。そのことが、やがて、世の中にも通ずる。千代がいなかったら、どんなに世の中は明るくなることだろう。――それを、おれは肯定する。陰惨な戦争は済んだ。おれ達の世界は立て直しだ。平和国家だの、民主主義だの、無血革命だの、そんなことはおれには縁遠いものに思われた。それよりも、おれの生活、つまりおれの世界を、自由な境地に繰り拡げることだ。それには、そういう自由には正義とか不正義とかいうことよりも、美とか醜とかいうことが問題だ。美は心を自由に開いてくれる。醜は心を不自由に閉す。醜悪はおれの世界から絶滅しなければならない。