Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めばえ
芽生
宮本 百合子
Lisez 芽生 (めばえ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 40 924 caractères · 81 écrans
男鴨はもうどうしていいか分らないほどイライラした気持になった。大儀そうに体をうごかしてあてどもなく歩き廻った。そして何の気もなしに三人目の女房がひやっこくなって居た茗荷畑の前に行った。
「…………」
男鴨は息をつめて立ちどまった。
頭の中にはあの時の様子がスルスルとひろがって行った。女鴨が死んだと云う事は知って居るけれ共まだ、そこに居る様に思われてならなかった。つきとばされる様に男鴨は畑の中にとびこんだ。中には何のかげさえもない、女房の体の長くなって居た所に自分も又体を横にした。
「これよりいやな思いをしない中に己は死ぬ事をねがって居る、……」
男鴨は斯うつぶやいて死の使の動物の来るのを待った。女房の血のにじんで居る土の上で自分も死ぬと云う事は死んだあとにも好い事がありそうに幸福らしく思われた。
ジーッと男がもは待って居た。けれども待って居るものは来なかった。
「己は死ぬ事さえ出来ないと見える」
うらむ様に云って黒っぽい空を見あげた男がもは力も根もつきはてた様に羽番の間に首を入れた。「己は年をとったと云ってもまだ若い方だ」と思って十月に入ってから瑠璃色にかがやき出した、羽根の色を思った。