Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

クーリーがしらのひょうじょう

苦力頭の表情

里村 欣三

Lisez 苦力頭の表情 (クーリーがしらのひょうじょう) de 里村 欣三 (さとむらきんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 583 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

その時から母がおまき婆になった。父と思っていたのはアカの他人の百姓であった。

俺はひがんだひねくれ者になつた。俺は愛のない孤児だと悟ったからだ! おまき婆は育て甲斐がないと失望した。幸四郎は飯の喰い方が悪いとか、働かないとか云って、事ごとに殴りつけた。

俺は愛に渇した。十六で五つも年上の娘と恋に落ちた。そして村一統の指弾の的標になった。

――血は争えないものだ。お前のおふくろもお前と同じに肩あげのとれない内から不義に落ちて、お前を負ってこの村へ流れて来て地蔵堂の縁の下に野倒死にしたんじゃ! 男の尻を追って行く途中か、それとも不義のお前という餓鬼をヒッて家に居たたまらず逃げ出した果てが、この地蔵堂の野倒死にか、どっちかまあ解らんが、子が子なら親も親じゃろうって――

お牧婆は口を極めて俺を罵った。俺は遂に十七の歳に村を捨てて遁げ出した。放浪がそれから始まった。だが俺はまだ母親のように野倒死にはしない。――世の中の人間は、誰れでも皆かならず二つの愛を所有している。父の愛と母の愛だ! 俺もついにそれなしには生きていられない寂しさを思う。

俺の母親は中国の僻村で地蔵堂の縁の下に死んだが、父親はまだ何処かに生きて居るべき筈だ。