Classiques japonais avec furigana
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あらいそのきょうみ
荒磯の興味
佐藤 惣之助
Lisez 荒磯の興味 (あらいそのきょうみ) de 佐藤 惣之助 (さとうそうのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 703 caractères · 8 écrans
夏や秋は一週間も釣ってくる。海水浴場とか温泉にも遠く、何の設備もないそういう場所が、まだ日本にはいくらもある。たとえば式根島でもそれを味える、神津島でも八丈島でも、陸つづきなら下田以南、石廊岬から西へ行けば、私のいう荒磯はいくらもあり、関西なら潮岬から土佐海岸、その少し交通不便なところというものは、又釣人にとっての好適地で、天然の水中牧場がひらけ、千百種の魚が遊んでいるのである。
この場合、釣とは原始に還ることである。そして最も生新に自然と遊ぶことである。特にリール竿の研究、餌の問題、魚の習性というものをよく会得し得られることによって、詩と科学の世界へまで侵入し、そこに自然の運動を感知することが出来る。荒磯の興味は殊にそういう点で、多忙な現代の人士にとっては必要なものではなかろうか、恰度三千米突以上の高山に登って、夏、白雪と雲表の中に崇高な天上の歓喜を感ずるように、外洋に向った荒磯にでて、南洋はるか共栄圏の島々をかんじ、鵬程一万粁の海上を望んで、只一人怒濤の巌上に皇土を踏みしめているうれしさ、この悠久たる釣戯、まるで私達は神代を今に生活するような鬱勃たる生気に浸ることが出来る。