Classiques japonais avec furigana
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きくやしき
菊屋敷
山本 周五郎
Lisez 菊屋敷 (きくやしき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 620 caractères · 71 écrans
晋太郎はまだ黙っている、志保は息ぐるしさに耐えられなくなった。すると、そのときお萱が、「……ご門人衆がおいでになりました」と襖の向うから告げた、志保には、救いの手のように思えたので、「……ちょっとご挨拶にいって来ます、よくお考えになって、戻って来たらお返辞を聞かせて下さい」そう云って仏間から出た。……庭へ下りると、ちょうど門人たちがはいって来たところで、八月はじめの強い日光を浴びながら、みんな一斉に志保のほうへ会釈を送った。
「どうかなすったのですか」先にはいって来た庄三郎が、抱えていた書物の包を持ち直しながら問いかけた、「……なんだかお寒そうなごようすにみえますよ、おからだの具合でもお悪いのですか」
「いいえなんでもございませんけれど」志保はそっと頬を押えた、「……急に日の下へ出たので顔色が悪くみえるのでしょうか、今日はお人数が少ないようでございますのね」
「いろいろ故障があって珍らしく小人数です、それに今日は早くしまう筈ですから……」そう云いながら、庄三郎はまじまじとこちらを見て首を傾けた、「やっぱりごようすが違う、いつもとはまるでお顔つきが違いますね、具合がお悪いなら大切になさらぬといけない、どうか構わずおやすみになっていて下さい」