Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lisez 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 114 caractères · 92 écrans

Aozora Bunko

蓬莱和子は、又真珠の玉をにぎった。

「あなたは、いちいち私の云うことに反対なさるようね」

蓬莱和子は、少し冷淡に、夫建介をみた。

「あら、私、あなたの解釈とも、御主人の解釈ともちがったことで結婚しないのですわ、老嬢秘話をあかしましょうか」

仁科六郎はうつむいた。

「私、勿論、結婚してらっしゃる方をみて、羨しい限りなんですよ。でも、結婚しませんと誓ったことがあるんです。昔のことですけど、純情少女の頃、純情な少女がある男の死に捧げた誓いなんですよ」

――その少女は阿難なのだ。その男は、仁科六郎なのだ。そして、それは過去ではない。現在なのだ――

「おどろいたわね、お杉は子供なのね」

「そうよ、みえない世界で結婚していて、ひめやかに貞操を守りつづけているわけよ」

蓬莱建介は、南原杉子のつくりごとであると見抜いた。仁科六郎は、みえない世界を、自分達のものだと信じた。ふと、南原杉子と視線があった時に、疲女はうなずいたのだ。

「まあ、お気の毒ね、ごめんなさい、私、いやな思いをおさせしたみたいだわ」

仁科たか子は心から云った。

「いいえ、私、幸せよ」

南原杉子は笑った。然し、阿難が泣きはじめた。