Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちばいき
落ち梅記
山本 周五郎
Lisez 落ち梅記 (おちばいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 748 caractères · 61 écrans
――半三郎は血ばしった眼で、噛みつくようにこっちを見た、「――それを由利江が持っている、宝物かなんぞのように、肌身はなさず大切にしている、……あれはきさまの家にいたことがある、しげしげと出入りもしていた、公郷へ来てからのようすでも、二人のあいだになにがあったかは一目瞭然だ、躯ばかりのぬけがらを貰ってありがた涙をこぼすほど、おれは馬鹿でもめくらでもないんだ」
その言葉をしまいまで聞かず、金之助は席を蹴って相手にとびかかった。
「よし来い、きさまなんぞ」
半三郎もすばやく立った。躯と躯とが激しくうち当り、組んで倒れた。酔いに煽られた狂暴な力で、半三郎は金之助を押伏せ、両手で相手の喉を絞めた。だがそれより早く、金之助は下から彼の顎を突上げ、忽ち逆に組敷いたと思うと、拳をあげて続けざまに高頬を殴りつけた。七八つちから任せに殴ると、半三郎は肩で息をしながらぐったりとなり、反抗を止めて手足を投げだした。
「おまえそんなに卑しい人間になったのか、半三郎」金之助は馬乗りになったまま、低くころした声で云った、「――おまえにはそんな卑しいことしか考えられないのか、もしそうなら相済まぬぞ、……よく聞け、正直に云えばおれはあのひとが欲しかった。