Classiques japonais avec furigana
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らくじつのそうごんににる
落日の荘厳に似る
吉川 英治
Lisez 落日の荘厳に似る (らくじつのそうごんににる) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 613 caractères · 6 écrans
その曙美はすでに女子大高校生で西生田の寮にいる。大観さんの訃を知ったら、きっとあの子は泣くだろうと思う。その後も会うごとに『おいくつ』『ご丈夫』と、この名付け親はお忘れなくよくきいて下すったものだった。
それなのにこちらは常々気にはかけていても、ぶさたしていた。いま思うと、さきおととしの昭和三十年の四月、松屋でひらかれた「横山大観米寿記念名作展」でお会いしたのがさいごになった。その折、主催の朝日新聞社の企画で、社の遠山孝氏が見え『大観さんの方でも会いたがっておられるし、吉川さんとならやってもいいと仰っしゃってるから、ぜひおふたりでテレビの対談をしてくれませんか』とのことだった。それは私にしてもよい折と思ったので快くひきうけた。
もとより大観さんのテレビは前後それ一回だったし、私にも経験はない。まだテレビ撮影は一般にも物めずらしかった初期である。入場者が見え初めるとこれは人だかりで撮影もできまいという懸念から、それは何でも早朝の九時頃、会場の茶室風な小間で卓に向いあった。ところがまず初めるまえに大観さんの手は『まあ一杯』と、卓上の番茶どびんから私の茶碗へ波々と一杯注いでくれた。