Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
私はお糸さんの顔を見れば気が晴れるように思った。お糸さんの眼や唇にかつて意地悪や冷淡の色が見えたことはなかったから。私は桜林へ行ってみた。桜の花は大方散り尽して葉桜になっている。遊んでいる子供の群の中に実さんやはじめさんの姿が見えなかったので、そこを去って、水道尻の通りを仲の町の方へ歩いて行ったら、京一の角にある時和泉という酒屋の前にのぶちゃんがいた。のぶちゃんは酒屋の前にあるポストによりかかって、独りでつまらなそうにお手玉をしていた。のぶちゃんは私が来たことに気がつかない。私はそっとポストのうしろに廻って、腕を伸ばして両掌でのぶちゃんの眼隠しをした。のぶちゃんはあっと低く叫んだが、眼隠しの掌をふりほどこうともせずに、
「だあれ?」私が押し黙っていると、くすくす笑い出した、
「清ちゃんでしょう。」
私は掌をのけた。
「やっぱり清ちゃんだ。すぐわかったわ。」
のぶちゃんはポストのわきに落ちたお手玉を拾いながら、私の顔を見上げた。見るとのぶちゃんの眼にはうすく涙が滲んでいる。
「なんだ、泣いていたの?」
「ううん。」
「でも涙が出ているじゃないか。」
「だって清ちゃんが、きつく眼を押したんですもの。