Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
イエは硼酸で火傷の個所をなでてくれ、それから繃帯を巻いてくれた。巻きながら「きついですか? 痛くありませんか?」と私の顔を覗いた。ねんごろなものの伝わってくるのを感じ、私は危くイエの胸に顔を埋めたくなるのをこらえた。私にはそのときイエが母のような気がした。自分の求めているものはこれだ、そういう思いで胸が一ぱいになり、私は険しい感情のとけてゆくのを覚えた。
「ずい分本を読むんですね。」イエは私の書棚を眺めながら「清さんは、先々こういう本を書く人になるつもりなの?」
「うん。一番性に合うような気がするんだ。でも、つまらないや、お母さんが死んでしまったから。僕の書いたものが本になっても誰にも喜んでもらえないもの。」
「そんなことありませんわ。おばさんの代りに私が読ませていただきますわ。」
私の胸に光りのようなものが流れた。
「イエちゃんも、いつまでも浄瑠璃をやってゆくつもり?」
「いいえ。」イエは淋しそうに笑って否定した。「でも、清さんは自分の好きな道にお進みなさいね。男なのだから。」
前途なお心にかかるものあり。思えばこの言葉は私よりもイエの心を強く打ったのだ。