Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かつしかすなご

葛飾砂子

泉 鏡花

Lisez 葛飾砂子 (かつしかすなご) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 677 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

菊枝は嬉しそうに血の気のない顔に淋しい笑を含んだ。

「むむ、」と頷いたがうしろ向になって、七兵衛は口を尖がらかして、鍋の底を下から見る。

屏風の上へ、肩のあたりが露れると、潮たれ髪はなお乾かず、動くに連れて柔かにがっくりと傾くのを、軽く振って、根を圧えて、

「これを着ましょうかねえ。」

「洗濯をしたばかりだ、船虫は居ねえからよ。」

緋鹿子の上へ着たのを見て、

「待っせえ、あいにく襷がねえ、私がこの一張羅の三尺じゃあ間に合うめえ! と、可かろう、合したものの上へ〆めるんだ、濡れていても構うめえ、どッこいしょ。」

七兵衛はのような足つきで不行儀に突立つと屏風の前を一跨、直に台所へ出ると、荒縄には秋の草のみだれ咲、小雨が降るかと霧かかって、帯の端衣服の裾をしたしたと落つる雫も、萌黄の露、紫の露かと見えて、慄然とする朝寒。

真中に際立って、袖も襟も萎えたように懸っているのは、斧、琴、菊を中形に染めた、朝顔の秋のあわれ花も白地の浴衣である。

昨夜船で助けた際、菊枝は袷の上へこの浴衣を着て、その上に、菊五郎格子の件の帯上を結んでいたので。

謂は何かこれにこそと、七兵衛はその時から怪んで今も真前に目を着けたが、まさかにこれが死神で、菊枝を水に導いたものとは思わなかったであろう。