Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あし
葦
山本 周五郎
Lisez 葦 (あし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 406 caractères · 25 écrans
四
菅野家重代のものだという漢鏡だけ残して、恥かしいような物まで売った、女はとうに裸になっていた。
千神市蔵がとつぜん訪ねて来た。女と別れること、生活をたて直すこと、飾らない言葉でずばずば意見をした。
「やるだけやったではないか、しかしもうたくさんだ、どんなことにも切というものがある、もう切をつけなくてはいけない」
「冗談じゃない」又五郎は笑った。「おれたちの生活は始ったばかりだ、もちろん形式と体面だけで生きている貴公たちには、人間らしい生きかたはわからないだろう、黴臭い役部屋や、裃や大小を命の綱にしている貴公たちには……」
四
「そうだ、おれにはわからない」市蔵はしずかにこう云った。「生活というものはなにかを生みだすものだと信じている、そこもとたちの暮しは生活とはいえない、これは耽溺だ、なにものをも生まず、働かず、快楽に溺れて恥じないのは禽獣に等しい」
隣りには女がいた。市蔵の声には遠慮がない、聞えていることはたしかだ、又五郎は泣くような声ではたし合いを要求した。
――そして女は逃げた。又五郎はいま白じらとした気持でそう考える。救いようのない貧窮、安逸と懶惰に馴れた女にはそれだけでも耐えきれなかったろう、はたし合いが事実になれば、結果のいかんにかかわらず係り合はまぬかれない、逃げるのは当然だ。