Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねぎ
葱
Lisez 葱 (ねぎ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 150 caractères · 16 écrans
お君さんは浪子夫人のごとく、あるいはまた松井須磨子のごとく、恋愛に苦しんでいるのである。ではお君さんは誰に心を寄せているかと云うと――幸お君さんは壁の上のベエトオフェンを眺めたまま、しばらくは身動きもしそうはないから、その間におれは大急ぎで、ちょいとこの光栄ある恋愛の相手を紹介しよう。
お君さんの相手は田中君と云って、無名の――まあ芸術家である。何故かと云うと田中君は、詩も作る、ヴァイオリンも弾く、油絵の具も使う、役者も勤める、歌骨牌も巧い、薩摩琵琶も出来ると云う才人だから、どれが本職でどれが道楽だか、鑑定の出来るものは一人もいない。従ってまた人物も、顔は役者のごとくのっぺりしていて、髪は油絵の具のごとくてらてらしていて、声はヴァイオリンのごとく優しくって、言葉は詩のごとく気が利いていて、女を口説く事は歌骨牌をとるごとく敏捷で、金を借り倒す事は薩摩琵琶をうたうごとく勇壮活溌を極めている。それが黒い鍔広の帽子をかぶって、安物らしい猟服を着用して、葡萄色のボヘミアン・ネクタイを結んで――と云えば大抵わかりそうなものだ。思うにこの田中君のごときはすでに一種のタイプなのだから、神田本郷辺のバアやカッフェ、青年会館や音楽学校の音楽会(但し一番の安い切符の席に限るが)兜屋や三会堂の展覧会などへ行くと、必ず二三人はこの