Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふとん
蒲団
田山 花袋
Lisez 蒲団 (ふとん) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 870 caractères · 90 écrans
「中野へ散歩に行ったッて?」
時雄は突如として問うた。
「ええ……」芳子は時雄の顔色をまたちらりと見た。
姉は茶を淹れる。土産の包を開くと、姉の好きな好きなシュウクリーム。これはマアお旨しいと姉の声。で、暫く一座はそれに気を取られた。
少時してから、芳子が、
「先生、私の帰るのを待っていて下さったの?」
「ええ、ええ、一時間半位待ったのよ」
と姉が傍から言った。
で、その話が出て、都合さえよくば今夜からでも――荷物は後からでも好いから――一緒に伴れて行く積りで来たということを話した。芳子は下を向いて、点頭いて聞いていた。無論、その胸には一種の圧迫を感じたに相違ないけれど、芳子の心にしては、絶対に信頼して――今回の恋のことにも全心を挙げて同情してくれた師の家に行って住むことは別に甚しい苦痛でも無かった。寧ろ以前からこの昔風の家に同居しているのを不快に思って、出来るならば、初めのように先生の家にと願っていたのであるから、今の場合でなければ、かえって大に喜んだのであろうに……
時雄は一刻も早くその恋人のことを聞糺したかった。今、その男は何処にいる? 何時京都に帰るか? これは時雄に取っては実に重大な問題であった。