Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふとん
蒲団
田山 花袋
Lisez 蒲団 (ふとん) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 870 caractères · 90 écrans
一刻毎に集り来る人の群、殊に六時の神戸急行は乗客が多く、二等室も時の間に肩摩轂撃の光景となった。時雄は二階の壺屋からサンドウィッチを二箱買って芳子に渡した。切符と入場切符も買った。手荷物のチッキも貰った。今は時刻を待つばかりである。
この群集の中に、もしや田中の姿が見えはせぬかと三人皆思った。けれどその姿は見えなかった。
ベルが鳴った。群集はぞろぞろと改札口に集った。一刻も早く乗込もうとする心が燃えて、焦立って、その混雑は一通りでなかった。三人はその間を辛うじて抜けて、広いプラットホオムに出た。そして最も近い二等室に入った。
後からも続々と旅客が入って来た。長い旅を寝て行こうとする商人もあった。呉あたりに帰るらしい軍人の佐官もあった。大阪言葉を露骨に、喋々と雑話に耽ける女連もあった。父親は白い毛布を長く敷いて、傍に小さい鞄を置いて、芳子と相並んで腰を掛けた。電気の光が車内に差渡って、芳子の白い顔がまるで浮彫のように見えた。父親は窓際に来て、幾度も厚意のほどを謝し、後に残ることに就いて、万事を嘱した。時雄は茶色の中折帽、七子の三紋の羽織という扮装で、窓際に立尽していた。