Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくめい
薄明
Lisez 薄明 (はくめい) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 073 caractères · 18 écrans
」
それは、海軍の義弟の時計であったが、私が前から借りて私の机の上に置いていたものなのだ。
「よかったわね。」と義妹も笑い、「兄さんにしちゃ大手柄じゃないの。おかげで、うちの財産が一つ殖えたわ。」
「そうだろう?」と私は少し得意みたいな気持になり、「時計が無いとね、何かと不便なものだからね。ほら、お時計だよ、」と言って、上の女の子の手にその懐中時計を握らせ、「耳にあててごらん、カチカチ言ってるだろう? このとおり、めくらの子のおもちゃにもなる。」
子供は時計を耳に押しあて、首をかしげてじっとしていたが、やがて、ぽろりと落した。カチャンと澄んだ音がして、ガラスがこまかくこわれた。もはや修繕の仕様も無い。時計のガラスなんか、どこにも売ってやしない。
「なんだ、もう駄目か。」
私は、がっかりした。
「ばかねえ。」と義妹は低くひとりごとのように言い、けれども、その唯一といっていいくらいの財産が一瞬にして失われた事を、さして気にも留めていない様子だったので、私は少しほっとした。
そのお家の庭の隅で炊事をして、その夕方、六畳間でみんな早寝という事になり、けれども妻も義妹もひどく疲れていながらなかなか眠れぬ様子で、何かと身の振方などに就いて小声で相談している。