Classiques japonais avec furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lisez 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 133 caractères · 122 écrans
鴨を貪食した果報ものである、と聞く。が、いささか果報焼けの気味で内臓を損じた。勤労に堪えない。静養かたがた女で間に合う家業でつないで、そのうち一株ありつく算段で、お伽堂の額を掛けたのだそうである。
開業当初に、僥倖にも、素晴らしい利得があった。
「こちらじゃ貸すばかりで、買わないですか。」
学生が一人、のっそり立ち、洋書を五六冊引抱いて突立ったものである。
「は、おいで遊ばしまし。」
と、丁寧に、三指もどきのお辞儀をして、
「あの、もしえ。」
と初々しいほど細い声を掛けると、茶の間の悪く暗い戸棚の前で、その何かしら――内臓病者補壮の食はまだ考えない、むぐむぐ頬張っていた士族兀の胡麻塩で、ぶくりと黄色い大面のちょんびり眉が、女房の古らしい、汚れた半を首に巻いたのが、鼠色の兵子帯で、ヌーと出ると、捻っても旋っても、眦と一所に垂れ下る髯の尖端を、グイと揉み、
「おいでい。」
と太い声で、右の洋冊を横縦に。その鉄壺眼で……無論読めない。貫目を引きつつ、膝のめりやすを溢出させて、
「まるで、こりゃ値になりませんぞ。」
原著者は驚いたろう。
「しかし買うとして、いくらですか。