Classiques japonais avec furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lisez 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 133 caractères · 122 écrans
」
「横笛は、八本の調子を、もう一本上げたいほど高い処で張ってるのさ。貸本屋へしけ込むのは、道士逸人、どれも膏切った髑髏と、竹如意なんだよ――「ちとお慰みにごらん遊ばせ。」――などとお時の声色をそのまま、手や肩へ貸本ぐるみしなだれかかる。女房がまた、背筋や袖をしなり、くなり、自由に揉まれながら、どうだい頬辺と膝へ、道士、逸人の面を附着けたままで、口絵の色っぽい処を見せる、ゆうぜんが溢出るなぞは、地獄変相、極楽、いや天国変態の図だ。」
「図かい。」
「図だよ。」
「見料は高かろう。」
「高い、何、見料どころか、この図を視ながら、ちょんぼり髯の亭主が、「えへへ、ご壮な事だい。」勢の趣くところ、とうとう袴を穿いて、辻の角の(安旅籠)へ、両画伯を招待さ……「見苦しゅうはごわすが、料理店は余り露骨……」料理屋の余り露骨は可訝しいがね、腰掛同然の店だからさ、そこから、むすび針魚の椀、赤貝の酢などという代表的なやつを並べると、お時が店をしめて、台所から、これが、どうだい葛籠に秘め置いた小紋の小袖に、繻珍の帯という扮装で画伯ご所望の前垂をはずしてお取持さ。色紙、短冊、扇面、紙本、立どころに、雨となり、雲となり……いや少し慎もう……竹となり、蘭となる。